訪問・通信販売、マルチ商法などを規制対象は広い

業種だけでなく、販売の方法も制限

従来は訪問販売だけを対象とし、当時は訪問販売法と呼ばれていた特定商取引法ですが、電話やインターネットを使った悪質商法が増加したことを受け、電話取引やインターネットによる勧誘も対象に加え、2001年6月1日より現在の法律が施行されました。

特定商取引法は、悪質商法の中でも特に苦情の多い①訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールスも含む)、②通信販売、③電話勧誘販売、④連鎖販売取引(マルチ商法)、⑤継続的役務提供契約(エステ、語学教室、塾、家庭教師など長期にわたってサービスなどが提供されるもの)、⑥業務提供誘引販売取引(仕事を紹介する変わりに商品やサービスの代金を支払わせるもの)を対象に規制を行っています。

このような商法では、契約を断ろうとする顧客を何かと理由をつけて家に返そうとしなかったり、「○×の値上がりは間違いありません」と事実とは異なる説明や広告で商品・サービスの購入を迫るケースが決して珍しくありません。

そこで特定商取引法は、以下のように一定の悪質な行為を制限して、その行為を行った業者は、行政処分として業務を停止させられます。

不実の告知
勧誘員が顧客に対して嘘の説明を行って契約を締結することで、悪質商法では非常によく見られます。例えば、電話勧誘で先物取引業者が「今なら大豆の値上がりは間違いありません!こんなチャンスは二度とないですよ!」などと説明する場合などがこれに該当します。

事実の不告知
会社にとって都合の悪い事実などを消費者に教えないことです。マルチ商法で顧客から会社の経営状態を聞かれたときに、本当は経営が悪化して「自転車操業状態」にあるという事実を把握しているの関わらず、「経営状態は企業秘密に当たるのでお答えできかねます」などという場合です。

威迫による困惑
契約や契約の解除の際に、消費者に脅迫などを行うことです。

誇大広告
事実を大幅に誇張して広告することです。例えば、ダイエット関連の健康食品の広告で、モニター100人中15人が実際にダイエットに成功したにも関わらず、「ダイエット成功率、驚異の85%!」などと誇張して広告する場合などがこれに当たります。

計算方法を表示しない
マルチ商法の勧誘の場合、利益が得られると勧誘を行うには利益の具体的計算方法を表示することが求められます。単に「会員が増えれば、その分だけ儲かる」ではなく「会員増1人当たり○×円の報酬が支払われる」という愚弟的なデータが必要なのです。

悪質な商法はテレビや新聞、雑誌などを通じて、その手口があきらかになり、消費者に対する啓蒙的な役割を果たしていますが、悪質業者は、次から次へと新しい手口を編み出してくるため、被害者の数はなかなか減りません。そこで特定商取引法では、新しく生まれる手口に対抗するため、数年毎に改正が行われています。